Capturing the Light

 

 

 

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夜なお明るい,ということは,文明のもたらしたものだ.何らかのエネルギーを発見し,電気を作り,それを消費する.ここ米国では,明かりの明るさは日本ほどではないものの,いまだ電球が多く使われていることもあって,暖房や自動車と同様にエネルギー消費が大きい.特にこの写真のように,超高級ブティックの集まる繁華街はまばゆいばかりだ.

しかし私がこちらへ渡航してからは,暗いニュースが続く.9月に崩れ始めた金融恐慌はあっという間に国全体を覆ってしまった.今回の不況では株価が大きく下がったこともあって,いわゆる富裕層の消費もそうとう冷え込んでいるようだ.このあたりのきらびやかな風景は,個人的には好きなものではないけれども,次に来たらスラムと化していた,ということはないように祈るばかりだ.

距離計連動式ニコン(いわゆるS型ニコン)の 5cm F1.4 は,世界で初めて F1.4 の明るさを達成した写真用レンズだ.最初の F1.4 からは非公式ながら何度も改良・再設計が繰り返されているので,「これが最初の F1.4 の写りだ」というつもりはないが,このシルバー仕上げのゾナー型レンズは後の黒色仕上げのものや,ガウス型に全面変更された最終型に比べ相当無理をしていることがハロの強さから分かる.もっとも,レンズ周辺部分を通る光の補正をあきらめたかわりに,ちょっと絞ったときの中央付近の切れ味はすばらしいものがある.また絞り開放の時でもピントの芯はちゃんと残るので,このハロはソフトレンズのようにして使ってもおもしろい.また画像周辺部と中央部の画質の差も印象的な絵作りに使えるだろう.絞りによって変化を楽しめる,とは収差の残されたレンズを褒める常套句だが,それにしてもわかりやすいレンズである.前の"Boston common"と見比べていただきたい.

Nikon S2, Nikkor-S.C 5cm F1.4
ILFORD XP2 super 400

(upload : Feb., 2009.)
(現在スキャン環境がないため拡大写真はありません)