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投稿2691 | ■Re:2690 紫色(波長400nm)のフィルム/デジタルカメラでの再現性。 狸おやじ 2021/7/10(土)21:23

つまり,人間の目が「紫」と認識する光には2種類ある。
一つは波長400nm付近の真の紫色で,もう一つは青と赤の光を合わせた合成色。人間の目はその2つを区別できない。前者の例は,微水滴で分光された虹色の列で青より内側に現れる紫。後者の例は,紫陽花などに含まれるアントシアニン(赤と青の色素)を持つ花弁からの反射光に代表される合成色の紫。しかしこの2つの光は,もし400nmの光(真の紫色)を区別して見ることができる生物がいたら,違う色として認識されるはずだと思う。

カメラのイメージセンサー(又はカラーフィルム)は,人間の目の特性に合わせて「赤,緑,青」の三色フィルターを介して光を3原色に分解して受光センサーで光量を測定(又は3色に反応する感光材で光を受光)する。この測定情報に基づいて,液晶画面や感光紙に3色の空間分布を表現することでカラー画像を再現している。しかし,この場合,400nmの紫は弱い青色としてのみ記録され,紫(又は擬似的に補正するための赤)の情報が含まれていない。

目で見ると綺麗な虹をカメラで撮影すると,冴えない写真になる理由はここにある。青より波長の短い紫が再現されないだけでなく,それ以外の連続的な光のスペクトルも,3色フィルター(感光材)で3波長以外の情報を除去した結果,幅が細く色の乏しい「虹」になる。

つまり,目の認識の過程で,スペクトル->3色成分へ変換され情報の欠如が起きている。もちろん,人間の色覚が鈍感なのだから画像を目で見るだけなら欠如した情報で十分と言える。しかし,人間の色覚に合わせて擬似的に抽出した情報から元の画像を復元しようとすると,情報が欠如した場所で色が抜ける。これは美しく豊かな色再現という観点から考えると大きな問題だと思う。

皆さんはどう思いますか?

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