フォクトレンダーVCメータ改良
2003年1月

![]() オリジナル
| ![]() 改良案
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![]() 最低輝度の状態
| ![]() 最高輝度の状態
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オリジナルの絞りダイヤルは、この例では F8 に固定しておかねばならない。 これを F5.6 や F11 基準で作成することも出来、 その場合は利用可能な輝度の範囲が変化する。 非常時(夜景などの超低輝度時)のためにまわせるようにするかどうかは今後の検討課題。
VCメータは、ISO100 のときに、1秒の目盛りが指標より半時計回りにさらに3段(8秒)、 時計回りには 1/2000 からさらに1段(1/4000)までダイヤルが回る。 つまりこの改造案では、低輝度側が 1/4 秒 F1.4 (EV3)、 高輝度側が 1/2000 F11 (EV18) までが確認可能範囲になる (VCメータはオリジナルの状態で EV1〜 EV20)。 反対に、絞りダイヤルの周りにシャッター速度指標を配置するという案もあるが、 これは実際には可動範囲が小さすぎて使い物にならない。 (絞りダイヤルは目盛り以上にはほとんど余分に回ってくれない。) また ISO 感度の設定変更に対応できない。
2004.12 追記
最近、 VCメータIIなるものが発売されているのを知った。まだ未消化な部分もあるが、従来の2大欠点であった
- シャッター速度と絞り値の組み合わせを同時に確認できない
- 露出値のロック(メモリー機構)がなく、露出計を被写体に向けたままダイヤル操作を 行わなければならない
あとは、ダイヤルを1軸化して操作を簡単としながらシャッター速度と絞りの全組み合わせを一読できるようにする、 また、LEDの表示点数を増やす(3点では零点を探すのに都合がいいとはいえないし、 ダイヤルで設定した値との露出の偏差が目で見て分かるほうが便利)、 の2点が改善されるともっといい露出計になるだろう。
露出計をアクセサリシューに取り付ける方法は荷物が増えないとか、 カメラのファインダーで狙いをつけられるという利点はあるものの、 撮影スタイル(撮影の都度露出を測るのではなく、時々光の加減を見ながら、 カメラを構えたときにはピントとフレーミングに集中する)によっては あまりスマートとは言いがたいし、入射光式の測定にも向いていない。
露出計をカメラに取り付けることにこだわらないなら、VCメータ発売の翌年(2000年)に セコニックからツインメイト L-208 という優れた製品が出ているのでこれをお勧めする。 針式なので零点合致も瞬時に行えるし、もともとメモリーロック機能が付いているし、 入射式・反射式の双方に切り替えて使えるなど利点も多い。 VCメータより若干大きいが、丸っこい形は手のひらへの収まりも良く、片手で容易に操作でき、 さすがに露出計を作りなれているだけのことはある。この種の形の製品でありながら SPD を 採用しており、反応も早く測光画角も適度に狭いので使いやすい。