Hanimex 35 Micro Flash

2024年10月

Hanimex はオーストラリアの商社で、多くのカメラを販売したが、この Hanimex 35 Micro Flash は国産カメラで、日本国内でもビートルの愛称で販売された。その特徴として、ストロボ内蔵でありながら大変小型軽量(発売当時世界最小)であることが挙げられる。大きなストロボ発光部と、単4電池2本分の電池ボックスを備えながら、なんとオリンパスXA2と大きさはほとんど変わらず、重さに至っては1割近くも軽量なのだ。しかし、魅力はそこだけではない。この大きさ重さでメカニカルシャッターを備え、電池がなくても動作する稀有なカメラの1つなのだ。有名メーカ製でないためか、インターネット上にもあまり情報がないカメラであるので、ここではその詳細を紹介したい。

特徴


左から ELIKON 535, Hanimex 35 Micro Flash, オリンパス XA2

ELIKON 535 を一言で表すとすれば、「電池不要のオリンパスXA2」のようなカメラである。小型軽量なプラスチック製のボディに 35mm レンズを搭載し、ゾーンフォーカスでピント合わせが出来る。ただし自動露出や露出計は搭載しておらず、電池がいらない。レンズ下のスライドバーを左右に動かすことで絞りを F3.8〜16 の範囲に設定することができ、それに応じてシャッター速度も 1/90〜1/500秒の範囲で変化する、機械式・マニュアル露出のプログラムシャッターを搭載しているのが最大の特徴である。

比較



幅は3機種ほぼ同じ、高さと厚みは右ほど小さいが、右ほど重い


機種重さ高さ厚み特徴
BelOMO ELIKON 535165g103mm69mm46mm機械式プログラムシャッター
Hanimex 35 Micro Flash192g102mm70.5mm42mmフラッシュ内蔵、機械式2速切り替えシャッター
Olympus XA2207g102mm65mm40mm電子式プログラムシャッター(自動露出)
※重さは実測値、大きさはカタログ・取説等の記載値

スペース効率



レンズと描写

撮影例


その他の撮影例はphotogradation - a gallery of light and shadowへ。

仕様

当時の販売用リーフレット裏面にある仕様欄から。

使用フィルム35ミリフィルム ASA64、100、400
レンズ32ミリF2.8 3群4枚 フルコーティング
色補正レンズ
シャッター1/60秒 および1/180秒
ピント調節4点距離マーク合わせ
露出調節絞り値(F2.8〜F22)とお天気マークの組合せ
による露出調節 露出不足警告ランプ付
ファインダー直視ファインダー
ストロボカメラ蓋内部に内蔵 ストロボOKランプ付
GN10発光間隔5秒〜8秒 発行回数約150回
(単4アルカリ乾電池2本使用)
フィルム送りダイヤル式巻上げ フィルムカウンター準算式
自動復元
寸法・重量102×70.5×42mm 190g(電池別)
標準価格●カメラ ¥25,200
●ケース・ストラップ・電池 ¥1,600

参考文献