中判カメラのためのニッコールレンズ

2001年1月

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日本光学(現・ニコン)は戦後、軍需品から民生品に転換して以来、現在にいたるまで数々のカメラを製作してきました。しかし、それらのほとんどはタイプ 135, つまり通常の 35mm フィルムを用いるカメラであり、ごく一部の特殊な例を除けば、タイプ120, つまりいわゆる中判フィルムを用いるカメラは製作していません。

では、ニコンは中判フィルム用のレンズは製作しなかったのでしょうか?いいえ、ボディこそ他社による製造となりますが、ニッコールの名を冠したレンズを搭載した中判カメラはいくつか存在するのです。またそれらの採用の背景には、日本の写真機史上に名を残した人物たちの強い思い入れが常に存在しました。

ここではそれらのカメラについて、歴史を交えながら紹介していきます。

左から、アイレスフレックスZ型(1951)、ゼンザブロニカ EC-TL(1975)、ゼンザブロニカD(1959)、マーシャルプレス(1966)、プラウベル マキナ67(1979)です(括弧内は発売年)。このように、一眼レフ、二眼レフ、折畳式レンジファインダ、プレスカメラと、ちょうどよい具合にバリエーションが揃っています。また、一般的な二眼レフの構造に沿っているアイレスフレックスを除き、機構的にもユニークなものとなっています。

各カメラとレンズの紹介

アイレスフレックス

ゼンザブロニカとそのレンズ

マーシャル プレス

プラウベル マキナ