設置と防音・防塵

3Dプリンタもそれなりにうるさいが、CNCはその比ではない。また、削りカスも大量に発生する。「卓上」というが、とても机の上に置いて使おうという気にはならない代物だ。そこで早速、防音・防塵対策を行った。

まずは防塵対策である.少し使ってみたところでは、ほとんどの削りカスは低い位置にとどまっていたので、CNCの前後を覆うカバーを付けた。100円ショップのプラ板(PP板)をカットして折り曲げて取り付けただけである。後部はつけっぱなしなのでテープで止め、一方、前カバーははめ込むように立てかけるだけとしている。下手にちょうつがいを付けて開くようにするよりもずっと使い勝手が良い。なお、側面の厚いアクリル板はもともとこのCNCに付属していたものだが、前端が斜めにカットされていたので立て掛けやすく便利だった。本来なら上面もフルカバーしたいところだが、Z軸の突出量が大きく、そこが左右に動くのでかなり大柄になってしまうし、使い勝手も悪くなりそうなので、これでよいこととした。

底面にはこれも100円ショップのMDF板(400 x 300mm)を買ってきて、ゴム足と共締めした(ボルトの長さが足りなかったので、手持ちのボルトを用いた)。これだと前端に隙間ができるので、3Dプリンタでダストボックスを作成し、ここに差し込むようにした(トップ写真を参照)。ただし削りカスは掃除機で吸うことが多いので、あまりダストボックスが取り外せる意味はないかもしれない。

また防音対策として、手持ちのキャビネットにちょうどぴったり収まるのでそこに格納。キャビネットの棚板の強度などを考えて最下部に設置した(トップ写真を参照)。机の上に置いた場合に比べて使い勝手が悪いが、出てくる削りカスやホコリは下へ落ちる傾向があるので、低い位置に置いたほうが周囲を清潔に保ちやすい。ガラス扉で、隙間も大きいので防音性は大して期待できないが、それでも閉じるとかなりましになる。さらにこの部屋を閉じきると他の生活には支障がないレベルで、寝室は家の反対側にあるため騒音は聞こえなかった。よって夜間の加工も問題ない。

このあたりは家屋の形態や生活環境で大きく変わるだろう。正直言えば、マンション暮らしだったり家族がきれい好きだったりするときついかもしれない。また加工時は粉塵のためか加工対象によって違う匂いもする。

これは(試し削りを除き)最初に作ったもので、ある部屋の表札である。最初の写真にあるようにアクリル板を切削した後、黒スプレーで塗装し、乾燥後、平坦部分をオービタルサンダーで荒らして半透明なマット面にした。裏面はシルバーのスプレー塗装である。文字の部分の影がちょっとだけ裏面の塗装面に落ちて立体的に見える。