一枚岩風の時計

ポイント

コンセプト

珍しく純電気式の時計を作った。元はと言えば、ゾートロープ式ドットマトリクスディスプレイを作るためにLEDテープ(シリアル通信で個別制御できるフルカラーLED WS2812B が並べられたテープで、Neopixel とも呼ばれる)を購入し、それがかなり余ったのがきっかけだった。このLEDを並べたデジタル時計は、すでにいろいろ作られているので、屋上屋を架すこともないのだが、ざっと眺めてみるとかなり大型で置き場所に困りそうなものや、はんだ付けが面倒くさそうなものも多い。それなら、究極的に簡単に作れるものを、と考えて作ったのがこの時計である。

LED テープは電源(5VとGND)と信号線、計3本の電線をマイコンにつなぐだけで、それぞれ個別に色や明るさを調整できる。これをそれぞれのセグメントに配置すれば時計になるが、それらをはんだ付けでつなぐのは結構面倒な作業になる。できるだけテープはつながったままで使いたい。ということで、7セグメント表示の1桁分は1つながりのテープで表示できるような仕組みを考えた。ただし点滅させるコロンと最上位の 1 もあるので、上の写真のようにテープを5分割し、それらの間のはんだ付けは必要になる。

このテープを、3Dプリントした一体型の部品の背面から貼り付けることで時計が完成する。右側のブロックにはそれぞれのセグメントに対応した導光路が形成されている。導光路といっても、途中を曲げると光が届かないので、LEDの置かれた点と各セグメントの形状を直線で繋いだ空間があいており、その他は埋められているような形状になっているだけである。マイコンは裏蓋にはめ込み、裏蓋を閉じると固定されるようになっている。時刻は WiFi 経由で自動取得出来る。つまりプリントする部品はこの2つだけ。ただし表面に、なにか光を拡散させる薄い素材(紙のようなもの)を貼り付ける必要がある。

ただの紙を貼っても面白くないので、100円ショップで物色したところいろいろと面白いものが見つかった。1つは木目のシートだが、これは印刷等ではなく、本物の木を薄くそいだもので、裏面が粘着シールになっている。もう1つは大理石風の模様のシート。どちらも良い感じになった。また他にも、好きな写真を貼り付けても面白い。

例によって3DデータとプログラムはThingiverseで公開している。