とどまること

 

 

 

 


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5歳の息子を連れて,「光明寺」という近所の低山の寺に登った.まっすぐ登る参道は車でも通れるように整備され,来る大祭に備えられているが, 敢えて途中から回り道して山道ふうのルートから本殿へと進んだ.

ここは小さい頃からよく遊びに来た場所.周囲より少し小高いことから,中学生時代は無線機やバッテリー,アンテナなどの大荷物を自転車に満載して登ってきたことがある.変わった道から下山しようとして知らないところに出てしまい,心細くなりながらも下へ下へ歩いていくと突然畑へ出てほっとしたことも覚えている.

天気がいいとは言えなかったけど,冬場だというのに山道の両脇には鮮やかな緑色に輝く苔がむしているし,ちょっと急なところがあったりして子供も楽しそう.

それにしても変わらないな,と思った.ただそのままとどまること,それはなにも生じないもののようで,実はそうではない.写真もそうかも.なんでもないものでも,時を経るとまた変わって見えるのは, 写真が変化するのではなく人が変化するからだろう.だから,変わらざるを得ない人間にとって,ほっとする存在なのかもしれない.

ブロニカSはシャッターボタンのすぐそばに,非常に使いやすいミラーアップボタンを備え,明るい 50mm 広角レンズと相まって光が足りないときに大いに助けとなってくれる.繰り出し量が長く,特に広角レンズとの組み合わせでは驚くほどの接写が可能となるのもうれしい.

Zenza Bronica S, Nikkor-O.C 50mm F2.8
Fujifilm Neopan ACROS,シュテックラー改処方(中川式)

(upload : Feb., 2006.)