つくばねの滝(1)

 

 

 


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年々、暑さが増しているような気がする。そこで、涼やかな風景を求めて、小さな滝に撮影に出かけた。

天気は曇天。滝は谷底のような地形のところにあって、木々も覆い被さるように茂り、かなり暗い。この滝は、硬い火成岩から、それより柔かい堆積岩へと水が流れていく境目で、堆積岩が侵食されてできている。火成岩は濡れると黒ぐろと引き締まり、水や苔の輝きとの対比が美しい。

普通、暗いと写真は撮りにくくなるが、滝を撮るには好都合である。あまりシャッター速度が速いと水滴がバラバラに写り、美しくないためだ。小さなカメラ(初代オリンパスペン)に不釣り合いだが、三脚を立てて撮影。レンズを絞り込むと、シャッター速度は1/2秒前後が適正になった。このカメラはシャッターの最低速が1/25秒だが、問題ない。シャッターをB(バルブ)にセットし、レリーズケーブルを使って、体の中のリズムで1/2秒を刻んでシャッターを切る(2番目の写真)。機械式シャッターの精度やネガの許容度を考えると、体内の120BPMのリズムの誤差など、取るに足りない問題である。ライカDIIもスローシャッターが1/20秒までだけれども、ライカ使いの知人が「どうせそれより遅い速度なんて手持ちで撮ることはないし、必要なら手動でも切れる。」と、ボディ前面に邪魔なスローシャッターダイヤルのないDIIをこよなく愛していたのを思い出しながら。

ただ、上がった写真を高解像度で取り込んでみると、絞り込んだ写真よりも絞りを開いた写真のほうが高解像度に写っていた。回折の影響である。定評ある、このオリンパスペンのレンズだからということもあるが、フィルムの判が小さいために、同じ画角・F値でも被写界深度が深いこともあって、レンズを絞ることは大きな判のカメラよりもメリットが小さく、弊害が大きい。本来ならNDフィルタを用いるべきであったが、それを言うなら、このような小判のカメラにはちょっと不相応な被写体であったということだろう。

これだけ判が小さいと、そのレンズの実力を引き出すには、デジタイズもそうとうに高解像度である必要がある。今回は、下から2番目の写真のみ、デジタイズ時のレンズ(Nikon Z7 に Ai Micro-Nikkor 55mm F2.8Sを使用)をF5.6で使用した。他の写真はF11で取り込んでいるので、拡大写真を見比べると、フィルムの粒子の精細度が違うのがわかると思う。ただしこの方法では、取り込み側のレンズ収差、周辺画質の関係で、ハーフ判を2コマ一緒に入力することはできない(対象のコマを真ん中に配置して1コマずつ取る必要がある)。

 

OLYMPUS PEN(初代), D Zuiko 2.8cm F3.5
Fujifilm Neopan ACROS,シュテックラー改処方(中川式)

(upload : Jul., 2024.)

 

 


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