慈照寺

 

 

 


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家族の所用につきあって京都に出かけた。用事は短時間だったので、その前後に少し観光もした。今年は紅葉がかなり遅れていて、まだ見頃ではなさそう、という情報だったが、それでもところどころ鮮やかに色づいていて、京都ならではの風景を存分に楽しんだ。白黒フィルムでは紅葉を撮ってもまったく面白みがないが、慈照寺(銀閣寺)の庭園はモノクロでも映える。粒状感の強いオールドな画作りがかえってマッチする印象があった。

手元の電子式カメラの相次ぐ不調を受け、ここのところしばらく、電池や電子回路に依存しない「メカニカルシャッターを搭載した35mmレンジファインダーカメラ」を探索してきた。結果、この条件を満たすカメラとしてリコー500G/GS/GXシリーズに行き着いたが、そのOEMモデルであるこの Sears 35rf はフレームの樹脂化などにより大幅に軽量化されており(実測362g)、おそらく、上記条件を満たすカメラの中で最も軽量なカメラとなるようだ。かなり現存数が少ないカメラだが、たまたま状態の良いものが入手でき、軽く整備したうえで今回の撮影に連れ出してみた。

レンズは前に用いたリコー500Gシリーズと同じなので、期待を裏切らないシャープな描写である。加えてレンズのコーティングや暗箱内面の反射防止処理も改良されており、逆光でも非常にハイコントラストで安定した描写が得られた。おそらくカラーフィルムでも色鮮やかな結果を残してくれるだろう。Sears ブランドのカメラというと、カメラにさほど興味のない大衆向けのカメラという印象だが、その先入観を見事に覆してくれるカメラだ。

今回の撮影では、かなり昔に買ったものの、あまり消費せずにストックしていた期限切れのフィルム、ILFORD XP2 Super 400 を使用した。このフィルムはカラーネガフィルムと同じ薬品・方法 (C41) で現像できるフィルムだが、実は普通のモノクロ現像の方法でもちゃんと現像できる。ただし、ISO200〜400 の感度では暗部が潰れやすく、明部も濃度が上がりにくいので、ISO100以下で使用したほうが良いように思われる(フィルム装填時に外光に晒されるベロの部分は十分に濃くなっていたので、現像不足ではないようだ)。今回はISO200設定で撮影したが、次回からはISO100に落とそうと思う。

 

Sears 35rf, 40mm F2.8
ILFORD XP2 Super 400,シュテックラー改処方(中川式)

(upload : Nov., 2024.)

 

 


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