Longwood Playground

 

 

 

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ボストンの冬は本当に寒い.長男が通ったこの小学校の校庭も,冬場はすっかり雪で閉ざされてしまう.日本では見かけないような,宇宙船のような形の芝刈り機がブンブンとうなりながらあっという間に校庭全体を刈ってしまった,その夏の気配はすっかりどこかへ行ってしまった.雪が珍しいわけでもないので,子どもたちが雪遊びをするといった風景もあまり見られない.

そんな厳しい気候だからこそかもしれない.米国民は想像以上に「身近な自然」を大切にする.建物と建物の間や校庭の脇など,いたる所に大木がある風景は,ちょっと日本では見かけない.ボストンは古い街ということもあるのか,マンションの5階の窓の高さにまで達する大木も全然珍しくない.土地が広いということもあって,どうしても自然の中の一部に住みかを置く,といったことがあたりまえなのかもしれない.この調子でエネルギー消費も控えてくれれば,言うことはないのだが.

この日はカメラを持って出かけた時間が遅く,日が短いこともあってあっというまに夕方になってしまった.撮影のためにちょっと手をポケットから出しているだけで,寒くてしもやけが出来そうだった.そんな中,カメラもすっかり冷え切っていたが,機械式ゆえ電池の心配もなく,よく働いてくれた.こんな気候だからこそ,夕日のオレンジ色の光線の,暖かさが身にしみた.

マミヤシックス オートマットはご覧のとおり,レンズが曇っていない個体では非常に厳しい光線状況でも高いコントラストを保ち,切れ味ある描写が冬の風景にもマッチする.一部でクローズアップレンズ「オートアップ」を用いたが,ご覧の通りピント精度は非常に高い.小型軽量ながら万能性の高いカメラで,米国に1台だけ持って行く銀塩カメラをこの機種にしたのは正解だった(もっとも,帰国時には何台かに増えてしまっていたけれど).出張中には自宅で現像出来なかったため,カラープロセスで現像できる BW400CN を使ったが,街中のDPE屋では120フィルムは処理できないので,あまり有効ではなかったかも知れない.

Mamiya-6 Automat, OLYMPUS D-Zuiko F.C 75mm F3.5
一部,オートアップ使用
Kodak BW400CN

(upload : Sep., 2009.)