Boston Revisited

 

 

 

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長期海外出張から帰国して3ヶ月,早速ボストンを再訪する機会を得た.MIT ではただ歩いているだけで多くの友人と再会することができ,彼ら彼女らの驚き喜ぶ顔を楽しんだ.ボストンに来たときには,徐々にその土地に慣れていく過程を楽しんだものだけれど,生まれ育った日本に帰ったときは同じではなく,もう帰った瞬間に身も心も元通り,暗がりでも自宅の電灯のスイッチに自然に手が伸びる自分にびっくりしたものだった.そうして帰国後の仕事に追われるうちに,もうボストンの風景はどれもこれもが既に懐かしく,でも滞在した秋冬とは違う,木々の春の息吹漂う町並みを楽しんだ.

当時通勤に使っていた電車が渡る橋からは,チャールズ川のヨットハーバーとその防波堤が美しく見え,いつかはあそこで写真を撮ろうと思っていたうちに冬になり,そして帰国してしまった.今回の出張ではそのヨットハーバーのそばに宿を取ることが出来,早朝,集合時間の前に散歩と撮影を楽しむことが出来た.朝の冷たく引き締まった空気に洗われているうちに,心が澄んでいくような,そんな気がした.自分の力ではどうすることも出来ない問題.それが消えたり解決したわけではないけれども,それをそのまま受け入れられる素直な気持ちになれた,忘れがたい朝だった.

ボストン長期滞在中には,現地で購入したニコンS2でも写真を撮ったが,今回の出張にはずっと近代的なオートフォーカスカメラ,ニコン35Tiを持って行った.機能はまったく違うけれども,大きさやデザインは発売当時,S型ニコンの精神的後継者のように捉えられていた部分もあったと思う.コンパクトカメラでは初めてニッコール銘を冠し話題になったレンズだけあってレンズ性能はすばらしく,文句の付けようもない.指針式の表示も見た目が美しいだけでなく結構実用的.露出計の正確さもコンパクトカメラでは群を抜く.しかしこの種のカメラの常として,アクティブ式のオートフォーカスが思い通りに動かないことがあるのが文字通り玉に瑕,のカメラである.このレンズをS型ニコン用の鏡筒に入れ直したものを出して欲しい,という意見があったのも頷ける.

Nikon 35Ti, Nikkor 35mm F2.8
Fujifilm ACROS

(upload : Jan. 2010.)