初春

 

 

 

スライドショー表示

 


(拡大)

 

 

 

 


(拡大)

 

 

 

 


(拡大)

 

 

 

 


(拡大)

 

 

 

 


(拡大)

 

 

 

 

久しぶりに,カメラにフィルムを詰めて撮影に出かけた.

思えば2年前,ニコンのフルサイズセンサ搭載一眼レフD800Eを導入してからというもの,フィルムでの撮影からはかなり遠ざかっていた.D800Eの画質はいよいよフィルムに匹敵し,または凌駕しうるもので,古いレンズでもニコンのものなら不自由なく使えることもあって,手持ちの新旧様々なレンズの新しい側面を再発見するなど存分に楽んだ.またこの頃から野鳥の撮影にも手を出し,次々と超望遠レンズを買っては可愛らしい小鳥や迫力あるアオサギの撮影に勤しんだ.さらにその年末には,ソニーがα7を発売.これもすぐに入手し,マウントアダプターを介して,今度はレンジファインダー用の様々なレンズを付けて楽しんだ.

その間,自宅の新築の話が持ち上がり,業者選びから間取り,内外装の素材や配置など,細々とした無数の判断決定に明け暮れ,とてもフィルムの現像どころではない状況だった.そしてやっと新居に落ち着き,昨年末は中断していた写真展への出展も果たしたことで,また再びフィルムカメラでの撮影に意識が向かうようになった.今年で20年になる,写真仲間のメーリングリスト "Nikomat-ML" での,フィルム熱の再燃もよいきっかけになった.

そんな中,弟が自宅に遊びに来たので,ちょっと散歩がてら,近所の公園でフィルム撮影.選んだカメラは,もっとも穏やかなカメラである二眼レフ.ずっと前に購入したきり,数回撮影しただけで温存していたローライフレックスを持ちだした.2月も半ばになり,ちょっと寒さも和らぎ,わずかに春の気配の漂う公園での撮影は,良い心の洗濯になった.

ローライフレックスは言わずと知れた二眼レフの代表機種で,その出来栄えや使い勝手もさることながら,他よりちょっと贅沢なレンズを搭載していることがやはり最大の美点かと思う.なかでもプラナー F2.8 を搭載したモデルの人気が高いが,その中でこの 2.8C だけは絞り枚数が多く,絞ってもきれいな円形のぼけを保つ.一番人気があるモデルは 2.8F だが,個人的には,ああいうセレン式の露出計はついてないほうが好ましいと思っているし,ちょっと暗いけれどシンプルなすりガラスだけのファインダ像もピントが合わせやすくて好ましいと思っている.様々なバリエーションの存在するローライフレックスの中で,このカールツァイス製プラナー付き 2.8C は,意図して選んだ自分にとって最高のモデル,という思いが強い.

 

 

Rolleiflex 2.8C, Carl Zeiss Planar 80mm F2.8
Fujifilm Neopan ACROS,シュテックラー改処方(中川式)

(upload : Feb., 2015.)