石のことば

 

 

 

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山上の寺へつづく参道沿いに,多くの地蔵が並んでいる.割と新しそうに見えるものもあれば,長年の風雨に打たれて表情をうかがうのも難しいようなものもある.それぞれの石に込められた祈りと,その石が蓄え発することばを感じる,暗い山道である.

今回使用したバルダのスーパーバルダックスは,スプリングカメラの中では結構マイナーな機種だと思う.しかしどうしてなかなかの実力機で,ファインダの見やすさや操作性の良さもさることながら,たった3群3枚構成(トリプレット型)でありながらF2.9という,ちょっと無理のある大口径レンズの写りの良さにも驚かされる.いや,たしかに開放絞りでは欠点なしとしないが,中央付近は開放から十二分にシャープでコントラストもあり,少しオールドレンズの気配を漂わせる背景の描写は絵作りに活かすと面白い.今回は暗い環境であったから絞り値は約1段絞ったF4,最後の2枚は開放F2.9で撮影した.主要被写体に視線を引き寄せられる,力強い描写のレンズである.

 

Balda Super Baldax, Schneider Kreuznach Radionar 80mm F2.9
Fujifilm Neopan ACROS,シュテックラー改処方(中川式)

(upload : Mar., 2015.)