過去最強クラスと言われた台風が通過した。当初、自宅近辺へ向かってまっすぐ北上する予報だったところが、どんどんコースがずれ、勢力も弱くなり、雨の予報だったこの週末はすっきりと晴れ上がった。

昨晩までは雨の予報だったからか、近くの公園は人影がまばらだったが、好天を待ちかねていたとおぼしき子どもたちとその親たちがぱらぱら繰り出してきていた。台風の影響か北風が吹き、暑さもピークを過ぎたことを実感しながら撮影した。

ヴェラは初期モデルが目測のみの単純なカメラであったことや、その風変わりな操作法、ミニマルな外観の印象が強く、距離計や露出計を搭載した上位モデルの実力はあまり知られていないようだ。しかし、レンズ交換に対応した非常に高精度な距離計や、ファインダ内で全てを把握できる露出表示など、中級カメラらしからぬ高性能を誇るカメラである。カメラ屋（機械屋）であるツァイス・イコンと異なり、レンズ屋（光学屋）であるカールツァイス・イエナが作ると、カメラはこうなるのだ、と感じさせられる部分があちこちにあり、普通はメカで解決する問題を華麗に光学系で解いているカメラなのだ。また、機械屋に比べ、光学屋は物差しの目盛りの単位が一桁は違うのではないか。東側の安価な中級カメラだからと舐めていると、実力を見過ごしてしまうカメラだ。

せっかく高精度な距離計を搭載したカメラなので、今回、50mm標準レンズ(Tessar)に加えて、100mm望遠レンズ(Cardinar)も使用して撮影した。いずれも非常に優れたレンズであることは、言うまでもないが、見やすい距離計・露出計のおかげで、高打率というか、失敗写真がほぼ生じなかった。ファインダ内のフレームが細くて明瞭なため、距離計カメラとしては例外的に水平も取りやすい。写真は並べ替えず、撮影順に掲載した。

VEB Carl Zeiss Jena Werra V, Tessar 50mm F2.8 / Cardinar 100mm F4
Fujifilm Neopan ACROS II，シュテックラー改処方（中川式）

(upload : Aug., 2024.)

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