ニコンミニ(ニコン AF600QD)
ニコンS2と
ニコンミニは,1993年発売の,当時世界最小・最軽量のカメラです.型番は AF600QD ですが,愛称はニコンミニで,海外では Nikon Lite Touch という商品名です.
レンズは 28mm F3.5 と広角であることが特徴で,またそのレンズは評判の良いものです.アサヒカメラのテスト記事(ニューフェース診断室:1993年7月号)では,「ほとんど絶賛に近い評価」との記述があります.このレンズは単なる3群3枚のトリプレットで,ビハインドシャッター方式ですが,
- 3枚目のレンズに,屈折率 1.8 に達するランタン重フリント系の高屈折低分散ガラスを採用
- 3枚のレンズの間隔を正確に保つため,鏡枠内にスペーサーを用いず,レンズのコバを用いてレンズ同士を突き当てる方法で組み立て精度を確保
またデート機構に関しては,直列に並んだ7ドットの LED を用い,フィルムを送りながら順次文字を焼き付けていく方式を採用し,小型化を実現しています(インクジェットプリンタのような方式ですね).そのため裏蓋には何の電気回路も入っていません.また,パノラマ時にもちゃんと文字の入る位置がずれるようになっています.
その他,最短撮影距離が 0.35m と短い点も便利と言えます.その後の,中級超小型単焦点コンパクトカメラ(フジ ティアラなど)に大きな影響を与えたカメラといえるでしょう.
解説動画
外観・作例
作例
フィルム:Kodak E100S
スキャナ:CanoScan D2400UF
フィルム上では,左下隅の花名表示が読めます.